経済財政諮問会議27回 12月7日(木)友引 曇り
今日は、曇りの天気です。
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さて、さる11月30日に、第27回経済財政諮問会議が開かれ、平成19年度予算編成の基本方針について総理から諮問があり、答申について審議しました。また、再チャレンジ支援・労働市場改革について議論が行われました。会議後の大田大臣の記者会見が公表されていますので、ご紹介します。
1.発言要旨
今日の議題は大きく言って2つあり、1つ目は、平成19年度予算編成の基本方針について審議いたしました。2つ目は、再チャレンジ支援・労働市場改革ということで、柳澤厚生労働大臣及び山本再チャレンジ担当大臣を臨時議員としてお招きして議論いたしました。
まず、予算編成の基本方針につきましては、案どおり答申されました。
関連して、道路特定財源の議論が出されました。民間議員から、まさにこの問題が安倍内閣の試金石だ。予算編成の基本方針どおりに決着してほしい。これからの財政を考えると、限られた財源を有効に活用することが至上命題だから、ガソリン税を含めて法改正を行い、重要な歳出に活用すべき。また、納税者の理解を得ながらと予算編成の基本方針にも書かれておりますが、ガソリンとか石油というのはほとんどの国民が納税者だから、これは国民の理解ということに等しいのではないか。国民の立場に立って改革してほしいという意見、あるいはどうもこの議論は道路だけに終始していて、財政全体の視点がないのではないか。財政全体の中で考えると、今の税率のままで課税して、必要度の高い歳出、例えば社会保障に充てるということが必要なのではないかというような御意見がありました。
これに対して総理から御発言がありました。この道路特定財源については、国民のためになる改革をしたい。高齢化が進む中で、限られた財源を有効活用し、負担の面を考えたい。したがって、道路特定財源も決して聖域にはしないということが小泉改革の時から合意されている。ただ、必要な道路というのはつくらなくてはいけないが、自動的にこの財源が道路に向けられて、自動的に道路ができる仕組み自体を変えていくことが必要。したがって、道路特定財源の現行税率は維持しつつ、揮発油税を含めて道路特定財源を見直しの対象とし、国民の視点に立って改革をしたいという御発言がありました。
以上が予算編成の基本方針についての議論です。
続いて、労働市場についてです。
まず、再チャレンジについて審議いたしました。この時は、再チャレンジのためには妨げている規制をなくすことが必要とか、あるいは省庁間の連携やワンストップが必要であるという御意見がありました。また、個人保証や連帯保証人という制度が再チャレンジの妨げになっているので、ここはしっかりと切り離していくということが必要である。あるいは民間金融機関がなかなか融資をしないのは、共益債権の優先順位の問題があって、これは破綻法制でも残された課題だから、こういう根っこの部分もしっかりと議論していかなくてはいけない。
このような議論を受けて、山本大臣からしっかり取り組んでいきたい、金融検査マニュアルに再チャレンジ枠を設けることを、検査局で検討しているという御発言がありました。
次いで労働ビッグバンです。
労働ビッグバンはまさに今日がスタートで、民間議員ペーパーのポイントは、専門調査会をつくって、民間議員のペーパーにあるような点について、これから議論をしていきたいということである。
これに対して、柳澤大臣からは、労使自治という言葉があるけれども、労使は対等ではないというのが労働法制の基本の考え方という発言、あるいは諮問会議や専門調査会で議論するというのは、それはもちろんいいけれども、労政審では、労使公の三者で審議する仕組みがある、そこでエンドースしなければならないという点は十分に配慮してほしい、というような御発言がありました。
その他の意見としては、中途採用を進めるために「転職秋の陣」のようなことを考えるべきではないか。あるいは派遣の期間制限というのは本当に必要なのか。規制のマイナス面もあるのではないかというような議論がありました。
それから、ハローワークにつきまして、民間議員からILO88号条約の下で行う方法として2つの提案がありました。現在の主要な官のハローワークを維持したままで、その他の運営を民間に包括的に委託する。例えば、東京23区で20のハローワークとその支部がありますが、その一部を民間開放する。それから、民間開放したハローワークを官が監督する仕組みを整えることで、官のネットワークを維持してはどうかという御提案がありました。
この時にドイツやオランダの例の話がありましたけれども、柳澤大臣からは、ドイツも完全に民間委託ではなくて、ハローワークが一定期間見た後で民間に対してバウチャーを払っているというような反論、それから雇用保険と一体でやる必要があるというような反論がありました。これに対しては、民間が雇用保険と一体的にやるということが考えられると、民間議員から反論がありました。
それ以外に、若者とか地方とか就職で苦しい思いをしている人のことも考えて、この問題をやっていく必要があるという意見が出されました。
この市場化テストの担当大臣は私ですけれども、私の方からは、このILO条約の規定というのは長く議論されておりますし、国内でも解釈が分かれています。そこで、民間議員から御提案のあった2つの点に絞って、この解釈がILO条約に抵触するのかどうか、私の下に私的懇談会を設けて専門家に集中的に検討していただく、ということを発言いたしました。
以上が労働市場の議論です。
私の取りまとめとしましては、これから専門調査会を設置して議論していきたい。そして、制度改革のあり方について議論を深めて、随時諮問会議に御報告をお願いしたい。その際、公労使三者協議の審議には十分配慮して連携をとっていきたい、と取りまとめました。
総理の締めくくりですけれども、終身雇用が崩れたり、共働きが増えたり、フリーターやニートが増える、こういう中で人材が生かされて再チャレンジできる社会をつくる労働市場の改革というのは、内閣の非常に大きな課題である。専門調査会を活用して、精力的に御検討いただきたい。そして、厚生労働省などの関係省庁ともよく調整・連携して、この検討の成果を関連する制度改革や来年の「骨太方針」に盛り込んでいただきたい。
それから、ハローワークにつきましては、再チャレンジのチャンスのある社会になるには、この職業紹介の機能が重要。何よりも利用している人の利便性を高くする。利用している人は、官であれ民であれ、利用しやすいということが重要なので、そういうハローワークの機能になるよう、民間の知恵を出して考えてほしい。民間の知恵を生かすことが必要。ILO条約の解釈など色々難しい課題はあるが、知恵を出し合って、より役に立つ機能にしてほしいということです。
それから、厚生労働大臣に対して、パート労働者への社会保険適用の拡大については、精力的に関係者からの意見徴取を行った上で、来年の通常国会への被用者年金一元化法案の提出と併せて実現できるよう調整してほしい。もう1点、パートタイム労働法など、再チャレンジ支援を具体化するための法的整備についても、来年の通常国会に法案を提出できるよう御尽力いただきたい、という御発言がありました。
2.質疑応答
(問)
道路特定財源についての総理の発言について、一、二伺いたいと思います。 総理の発言の中で揮発油税も含めてと、明言なさったということですけれども、これは当然自動車重量税、石油ガス税も含めてということでおっしゃったということでよろしいでしょうか。
(答)
揮発油税を含めて道路特定財源全体を見直しの対象に、ということでした。
(問)
それから、今日の一連の総理の発言ですけれども、使い道を定めている財源特例法がありますけれども、これの改正もしくは廃止すべきというお考えを指示したと、明確に示したというそういう解釈はできるのでしょうか。
(答)
そこまで明確にはおっしゃっておられません。ただ、揮発油税を含めて道路特定財源全体を見直すということですから、当然、法律は含まれてきます。
(問)
今週から政府・与党で議論が始まっていますけれども、総理としてはいつ頃までにしっかり成案をつくるべきだとか、そこら辺の距離感についてはお話はあったのでしょうか。
(答)
そこについてはありません。スケジュールについては御発言はありません。
(問)
先ほどの派遣労働者のところで、期間制限が本当に必要か、規制のマイナス面があるのではという議論があったというふうにおっしゃったのですが、具体的にマイナス面というのは、今1年ないし3年たつと企業が直接雇用しなきゃいけないという法律がございますが、それがあるということは何がマイナスであるという御議論になったのかということをお伺いしたいんですけれども。
(答)
3年であると、例えば2年目に解雇してしまう、派遣の契約をやめてしまうとう歪みが生じるということです。
(問)
そうしますと、当然ながら派遣は正社員よりも賃金が安く、しかも雇用が安定しないという実態があるんですが、期間制限がなくなると、これはちょっと極端かもしれませんけれども、ずっと派遣で生活していくという人が増える可能性もあるんですけれども、例えばその保証として派遣の賃金の安定を図るとか、そういった御議論も出たのでしょうか。
(答)
いえ、今日は時間も限られておりましたので、そこまでの議論はありません。今後、専門調査会の中で議論をしていきたいと思います。
(問)
民間議員のこの労働市場改革についてのペーパーですが、具体的に制度のどこに問題があり何を変えたいというふうに民間議員が考えているか、というのがこのペーパーから直接は読み取れないんですけれども、今の派遣の部分以外に、今日の議論の中で、そういう問題意識を具体的に話された部分があったら御紹介いただきたいんですけれども。
(答)
基本はこのペーパーに沿って御説明がありました。おそらく、今後の専門調査会の中で、具体的に議論していくということになるんだろうと思います。
(問)
4人の方それぞれには自分の書かれた本であるとか、問題意識を色々なところで書かれたり、アップされたりされていると思うんですけれども、4人まとまったペーパーになると、そこが書けないというのはどういう理由なんでしょうか。
(答)
今日は、労働ビッグバンのスタートですので、内閣全体として府省横断的な取り組みを始めるというところに、今日のペーパーの主眼があるというふうに考えています。
(問)
市場化テストのところですけれども、結局、柳澤大臣は、この民間議員の提案については賛同できないと、要するに導入はできないというふうにお答えになったという理解でよろしいんでしょうか。
(答)
明確に反対ということはありませんでしたが、例えばドイツやオランダという例についても、基本は官がやっているというようなお話でしたので、賛成できないということだと受け止めました。
(問)
総理の道路特定財源の見直しの発言なんですが、見直しを実行する時期については、来年度なのか、それとも再来年も含めた話なのか、それともそこはまだ言及がなくて今後の議論の対象になるということなのか、その辺を教えてください。
(答)
今日は議論の対象として揮発油税というようなことは明確に出ましたけれども、19年度、20年度というような御発言はありませんでした。
(問)
ハローワークの市場化テストについては、総理の御発言というのは、これは民間議員のペーパーに沿ってやってくださいという意味なのか、どの程度の意味があるのかをちょっと教えてください。
(答)
基本的に、利用者の利便を高めるために、ハローワークの改革は必要であるということをおっしゃったんだと思います。私がその前に、私のところに懇談会をつくってやりたいということは発言しておりますので、利用者の利便を高めるように、色々難しい課題についてはしっかりと知恵を出して、利用者の立場に立ったハローワークの改革をしてほしいというメッセージだと思います。
具体的に市場化テストを導入せよとか、そういうことではなくて、とにかくハローワークの改革は重要で、それは利用者の立場に立つということが一番大事だ。もちろんILO条約という難しい課題がありますので、ここはしっかりと議論をして解決の道を見つけてほしいということだと受け止めました。
(問)
道路の件でもう1点だけ。今日は、尾身大臣は参加なさっていましたけれども、当事者の1人である冬柴国土交通大臣は今日は参加なさってなかったということで、それから当然政府・与党内、民間を含めて色々な意見が渦巻いている中で、やはり今度は諮問会議でしっかり両大臣、国交大臣、それから財務大臣交えた形でもう1回しっかり議論を、この問題についてやるお考えなのかどうか、最後に教えてください。
(答)
今後の議論の流れだというふうに思います。今日、比較的総理から明確なメッセージが出まして、これを受けて更に議論が深まると思いますので、次回の諮問会議、来週の後半を予定しておりますけれども、その時点でまだ非常に大きい問題であるとすれば検討するということは十分考えられます。
今日は、これをテーマに据えたわけではありませんで、予算編成の基本方針に関連する形で議論が出てきておりますので、冬柴大臣をお呼びするというセットにはなっていないわけです。来週まででまだこの議論が非常に錯綜しているということであれば、諮問会議で検討することを考えたいと思います。
(問)
予算編成の基本方針の評価についてお伺いしたいんですけれども、大臣は御著書の方で予算編成のプロセスについて、改革が必要だというような趣旨の記述をされていらっしゃって、予算編成とマクロ経済の連携が必要だというような提言もされていらっしゃいます。その意味で、今回の安倍政権初めての予算編成の基本方針について、それが十分なものなのかどうか、あと今後どうあるべきなのかということをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)
非常に限られた期間でしたけれども、「骨太2006」をしっかりと受け継いで、今までの議論は反映されているというふうに思います。
それから、私が著書の中でマクロとの整合性と書きましたのは、7月に予算の全体像を取りまとめて、その後、概算要求基準が出ますけれども、こういう時にもっとマクロとの整合性を高めて総理のリーダーシップのもとで議論することが必要だというふうに、そのつもりでその点は書いております。
(以 上)
さてさて、今日は、「クリスマスツリーの日」だそうです。1886(明治19)年のこの日、横浜で外国人船員のために日本初のクリスマスツリーが飾られました。また、日本で初めてクリスマスのお祝いが行われたのは、1875(明治8)年頃、原胤昭(はらたねあき)が設立した原女学校だと言われています。
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